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水瀬紗世が大村忠行に連れ込まれてきた部屋は、狭い四畳半の和室でした。気がつくとその部屋のお布団の上に寝かされていたのです。
<そうだわ、ドライブに連れて行ってもらって、それから、どうしたのかしら、ここはどこ?>
ベンツの高級車に乗っていた顔見知りの大村忠行に、出町柳の近くで声をかけられ、土曜日の午後ということもあって、琵琶湖のほうへドライブに連れていってもらって、それから。紗世がドライブに行ったというのも、イケメン大村さん、紗世が好意を抱く顔立ち、それに勤めているブティックへ来て、かなり高級なコートなどを、キャッシュで買っていく魅力です。
「気がつきましたか、水瀬さん」
四畳半和室の襖がひらかれ、寝かされている紗世を、立った高さで声をかける忠行です。
「どうして、わたし、ここは、どこですか」
ノドが渇いたと思いながら、忠行を見上げ、わけわからないという風に聞く紗世です。着ているモノは着たままです。スカート、セーター、ストッキングもはいたままです。お布団のうえ、仰向いて寝ていて、スカートが太ももの中ほどにまでずり上がっているだけです。
「ぼくの、マンション、ここはキミのための部屋だよ」
窓があるけど、障子がはまっていて外は見えません。紗世には、ここがどこなのか、それにいま何時なのか、そういうことがわからないから、わかりたいと思うのです。
「アルコールに弱いんだね、寝てしまったから、連れてきてあげた」
ブルーのセーターに綿のズボンをはいている忠行を、見上げる紗世。
「大村さまのマンション、わたしのためのお部屋ですって?」
「そうだよ、ぼくは、キミが好きだ、水瀬紗世、好きだから連れてきた」
それにしても、いきなり、男性に個室へ連れ込まれてきた紗世にとっては、想定外、怖さも感じます。
「ああ、わたし、それは、こまります、わたし、こまります」
男と二人だけ、顔見知りとはいえ、特別な関係でもないし、マンションに連れ込まれたというのも、何をされるかわからない、本能的な不安です。どちらかといえば紗世の好きなタイプの男性で、ベンツに乗った好男子、それなりに魅力を感じてきた顔見知りの男性でした。

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四畳半の和室は、60Wの明るさLED裸電球が天井からぶら下っています。紗世はシングルサイズの布団に寝かされているのです。鏡台があって、電気スタンドがあって、正方形の座敷机があって、座椅子があります。四畳半といえば狭いです。気がついた紗世は立たされ、抱かれます。
「いやぁあん、いや、いや、よしてください」
男に抱かれることを予期していない紗世にとっては、心の準備ができていません。二人だけです。抱かれて声をあげても、誰かが助けてくれりわけでもないのに、紗世は、声をあげ、抱かれることに抵抗します。大村忠行は黙っていて、抵抗する紗世をきつく抱きしめます。
「いや、いや、放してください、いや、いや」
抵抗しても男の力にはかないません。紗世は力尽き、からだの力を抜いてしまって、忠行の腕の中です。ドライブに誘われたときから、イケメン男子の大村忠行とは、いい関係になるかも、との淡い期待を抱いた24歳の紗世。顧客のメンバーカードから大村忠行の年齢が36歳だと知っていた紗世です。
「わかってるだろ、男と女なんだから」
紗世のからだから力がぬけ、男の腕のなかに抱かれて、耳元でささやかれます。
「うううん、でも、でも、でも」
「でもって、どうした、いいんだろ」
「だめです、わたし、だめです」
強い抵抗ではない紗世のことばに、忠行は女の恥じらいを感じます。紗世が言葉で、良いと反応するには、まだその関係にはないからです。忠行は、だめです、という紗世の声を耳にしながらも、立ったまま、左腕をグレーのセーターを着た紗世の背中にまわし、右手を紗世の胸にあて、そのまま唇を重ねてしまうのです。
「ううっ、ふううっ、ううっ」
忠行に抱かれている紗世が、唇をかさねられ、呻き声を洩らします。白いシーツの布団が敷かれていて、男と女の行為がすぐに行える四畳半の部屋です。
「いいんだろ、わかってるだろ、経験してるんだろ」
セーターの上からからだを弄られながら、ささやかれてくる忠行の声に、紗世は大学を卒業と同時に別れた元カレの顔を思い出すのです。
「はぁああ、ああっ、ああああっ」
グレーのセーターが捲りあげられ、ブラウスの真ん中ボタンをはずされ、忠行の手を入れられ、ブラジャーのうえから乳房をまさぐられます。
「ううっ、ふううっ、うううっ」
立って抱かれたまま唇をかさねられ、くぐもった呻き声になる紗世。胸を開けた忠行の手が、次には黒のタイトスカートを捲りあげ、ストッキングを穿いたまま、ショーツを穿いたままの股間へ、手を入れられてしまった紗世です。

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服を身に着けたままとはいえ、半ば強引に抱かれ、唇をかさねられ、身をまさぐられていると、抵抗できなくなってしまう紗世でした。気がついたら寝かされていた四畳半の和室。顔見知りの大村忠行に抱かれ、身をまさぐられている最中です。
「ううっ、ああっ、はぁあ、ああっ」
黒いタイトスカートを捲りあげられ、パンストとショーツを穿いたままの股間を刺激されてしまう24歳の紗世。息を洩らす忠行の、ナマあったかい空気の流れを耳元に感じる紗世。男の手が、パンストとショーツの腰からナマの手が入ってくるのを感じる紗世。
「ああっ、だめ、だめ、だめですぅ、ううっ」
紗世よりも背丈も重さもひとまわり大きな忠行が、女のからだを弄りはじめるのです。捲りあげられたスカートの腰からパンストとショーツが降ろされます。抱かれたまま、ぎゅっと上半身を抱かれたまま、お尻を抜かれたパンストとショーツは、太ももの根っこで留められたのです。
「脱がしてやろうか、全裸に、だぜ」
耳元で囁かれて、紗世はなにを思うでもなく、もう二年以上も前に別れた元カレの仕草を脳裏によぎらせます。
「いやぁあ、そんなの、いけませんわ、ああん」
男の手が身に及んできて、紗世はそれ以上の抵抗ができなくなって、半ばぐったり、大村忠行の行為に身を任せていきます。
「脱がしてやるぜ、全部だぜ、素っ裸だぜ、ふふっ」
グレーのセーターの首を抜かれ、ブラウスのボタンが全部はずされると、インナーとブラジャーに包まれた乳房です。まずスカートを脱がされてしまう紗世。立ったままです。忠行の左腕に抱かれたまま、スカートが足元に落ちます。そうして、太ももの根っこに留まっているパンストとショーツが、膝のうえまで降ろされてしまいます。セーターとブラウスが脱がされ、インナーとブラジャーが脱がされていきます。
「ああっ、だめ、だめ、あかんですぅ、ううっ」
こらえてくぐもらせた声、紗世は呻くように言葉を洩らすのです。上半身を裸にされた紗世。24歳の柔肌にぷっくらの乳房、肌は白くて餅のようにスベスベ、肌にブラの跡が残っています。そうして、パンティストッキングが脱がされ、ショーツも脱がされ全裸です。男、忠行の手が解かれ、紗世は白シーツの敷布団に崩れ落ち、うずくまってしまったのです。